2026年9月27日

規格外サイズの印刷ガイド|注文方法・データ作成の注意点・料金の考え方


店舗の壁、窓ガラス、既存の看板枠。メジャーを当てると、A1にもB1にも収まらないことがあります。展示会のバックパネルや、横に長い横断幕も同じです。設置場所の寸法が先に決まっている掲示物は、定型サイズでは作りきれません。

規格外サイズの印刷は、多くの印刷会社で受けています。料金の決まり方、指定できる単位、1枚で出せる幅は会社ごとに違います。データの作り方も、サイズに合わせて確認が必要です。

この記事では、規格外印刷の基本、必要になる場面、注文前に決めること、料金の考え方、データ作成の注意、依頼先の見方までを順に整理します。

規格外印刷とは

定型サイズと規格外サイズの違い

定型サイズは、A判とB判です。ポスターやパネルでよく使うサイズは、次のとおりです。

A判 サイズ(mm) B判 サイズ(mm)
A0 841×1,189 B0 1,030×1,456
A1 594×841 B1 728×1,030
A2 420×594 B2 515×728
A3 297×420 B3 364×515
A4 210×297 B4 257×364

この表にないサイズが、規格外サイズです。会社によっては「変形サイズ」「自由サイズ」とも呼びます。正方形や、A1より少し横に長いポスターも含まれます。変形サイズの考え方は、変形サイズの記事でもまとめています。

規格外サイズにはいくつかの種類がある

一口に規格外といっても、作り方は4つに分かれます。

  • 縦横比が違う変形サイズ。正方形、細長い短冊、枠に合わせた横長ポスター。
  • 定型より大きい大判サイズ。A0やB0を超える壁面、等身大に近い掲示。
  • 数メートル単位の長尺サイズ。横断幕、懸垂幕、天井から吊るす幕。
  • パネルやボードに貼る前提のサイズ。展示会のバックパネル、受付サイン、既存の額縁への差し替え。

長尺の横断幕はシート、展示会の壁はパネル、と先に分けると、選べる最大サイズがはっきりします。

規格外サイズが必要になる場面

規格外が必要になるのは、設置場所の寸法が先に決まっているときです。よくあるのは次のような案件です。

  • 店舗の壁面、柱、窓ガラスに合わせたポスターやシート
  • 展示会ブースのバックパネル、受付まわりの装飾
  • 横長の横断幕、長尺バナー、天井から吊るす幕
  • 既存の看板枠、ライトボックス、額縁に合わせた面の差し替え
  • 実寸大の図面、工程表、社内の掲示物

たとえば窓が幅1,240mm、高さ860mmなら、A0(841×1,189mm)では横が足りず、B1(728×1,030mm)では縦横とも足りません。「だいたいA1」で作ると、現場で余白が出るか、枠に入りません。印刷のサイズは、貼る場所の実寸から逆算します。

注文前に決めておくこと

見積もりを取る前に、次の4つが決まっていると、確認項目が減ります。

仕上がりサイズを正確に測る

測るのは、印刷物の仕上がり寸法です。単位はmmに揃えます。cmのまま伝えると、1桁の読み違いが起きます。

看板枠や額縁に印刷物を入れる際には、「見え寸」と「全体寸法」の2つを測る必要があります。見え寸とは、枠にはめたときに正面から実際に見える範囲の寸法です。もうひとつは、枠の溝に差し込む分(差し込みしろ)も計測します。最終的な印刷サイズは、この差し込みしろを含めた寸法にしてください。見え寸だけでデータを作ると、枠にセットしたときに絵柄や文字の端が隠れてしまうため、重要な要素は見え寸内に配置し、差し込み部分には文字やロゴを置かないようにしましょう。

壁に直貼りするシートは、壁の内寸より数mm小さくすると、端部が浮きにくくなります。同寸だと、壁の歪みで入りきらないことがあります。

屋内か屋外か、掲示期間はどのくらいか

場所と期間で、シートが決まります。

使う場所と期間 シートの目安 向いている仕上げ
店内の短期ポスター ポスターペーパー、合成紙 シートのまま、またはスチレンボード
壁へ直接貼る 合成紙(糊付き) シート
ガラス、ショーウィンドウ 吸着ユポ、ガラス用透明シート シート(糊残りを抑える)
屋外でしばらく使う看板 塩ビ(中期は1〜3年、長期は3〜5年が目安) ラミネート+アルミ複合板
ライトボックス、電飾 乳半塩ビ、乳半PET 光を通すシート

年数は、直射日光や雨が当たると短くなります。質感は画面では分からないので、本番の前に材質サンプルで確認してください。

そのまま貼るか、パネルにするか

シートだけなら、ロールで出力して現場で貼ります。パネルにするなら、板のサイズが上限です。屋内の短期はスチレンボード、屋外や長期の案内はアルミ複合板、鉄面への付け外しはマグネットです。スチレンボードは屋外には向きません。

ラミネートは、擦れや紫外線から印刷面を守ります。主な種類はグロス、セミグロス、マットの3つです。屋外で長期間使用する場合は、長期用ラミネートも検討しましょう。

枚数と納期

規格外は、サイズごとの断裁やパネルの切り出しが入ります。データに不備があると、その分だけ納期がずれます。展示会なら搬入日、店舗ならオープン日から逆算してください。出力工房は、データチェック後、最短2営業日で発送します。配送日数は別です。

規格外印刷の料金の考え方

規格外の料金は、会社によって計算の仕方が違います。多いのは、次の2つです。

  • そのサイズが収まる、一つ上の定型サイズの料金で計算する
  • 縦×横の面積(平米)で計算する

同じ面積でも、長尺か、パネルか、ラミネートやフレームが付くかで金額は変わります。A1より一回り大きいだけで、一つ上のA0料金になる会社もあります。面積で計算する会社なら、増えた分だけの差になることがあります。

見積もりを比べるときは、次を同じ条件に揃えてください。

  • 仕上がりサイズ(縦mm × 横mm)
  • シートの種類
  • ラミネート、パネル、フレーム、穴あけの有無
  • 枚数
  • 納期

加工の有無が違う見積もりは、金額を比べられません。大判や長尺は、送料の差も大きくなります。

仕上がりサイズと仕様を入れると、自動見積フォームで概算が出ます。

データ作成と入稿の注意点

データは仕上がりサイズで作る

アートボードそのものを、仕上がりサイズにしてください。A1の中に絵を置いて余白を切る頼み方だと、断裁位置がずれます。注文画面のサイズとデータのサイズは、mmで一致させます。pxやptのまま作ると、出力時に寸法がずれます。

塗り足しと文字の配置

断裁はわずかにずれます。背景や写真は、仕上がりサイズの天地左右に3mmずつはみ出させてください。これが塗り足しです。塗り足しがないと、端に紙の白が見えます。

文字、ロゴ、QRコードは、仕上がり位置から内側へ離します。端に置くと、断裁のずれで欠けます。アルミフレームを付ける場合は、フレームがかぶる分も内側へ下げます。出力工房では、天地左右7mmがフレームかぶりの目安です。トンボ(トリムマーク)も付けて、切る位置をデータ上で分かるようにします。

解像度

解像度は、見る距離で考えます。

原寸で150dpiあれば、大判では実用上問題になりにくいです。近くで文字や顔写真を見る箇所は、150〜300dpiあると安心です。80dpiを下回ると、ボケて見えやすくなります。

横断幕のように離れて見るものは、仕上がりサイズのタテとヨコの対角線の距離が、全体の目安になります。顔写真やロゴなど近くで見る部分だけ、仕上がり換算の解像度を別途確認してください。長尺の手順は、イラストレーターで長尺印刷のデータを作る方法にまとめています。

大きすぎるデータの扱い

数メートルの原寸は、Illustratorの通常キャンバスに入らないことがあります。そのときは縦横比を保ったまま、1/10(10%)のように端数のない比率で縮小します。

入稿時には、次の2つをファイル名と備考の両方に書いてください。

  • 縮小率(例:10%、1/10)
  • 原寸の仕上がり寸法(例:10,000mm × 900mm)

写真は、画素を残したまま表示サイズだけ縮めます。入稿はメールに添付し、容量大きい場合は、ファイル便などをご利用ください。

推奨するファイル形式

入稿は、ai、eps、psd、pdfが確実です。Word、Excel、PowerPointのまま送ると、フォントや余白が崩れやすいです。Officeで作った場合はPDFに書き出し、可能なら文字をアウトライン化してから送ってください。

出力工房は完全データでの出力です。デザインの作り直しや大幅な修正は範囲外で、不備があると再入稿になり納期がずれます。確認項目は、データ作成・入稿ガイドと入稿時の注意点にまとまっています。

大きいサイズ・長いサイズで気をつけること

1枚で出せる幅には、機械ごとの上限があります。出力工房のシート出力は、高さ100〜1,300mm、幅100〜20,000mmです。

上限を超えるときは、分割して出力し、現場でつなぐか、パネルを分割して組みます。つなぎ目は、顔やロゴを避け、背景の途中に置きます。分割はデータ作成の前に決めてください。あとから半分に切ると、文字が切断線に乗ります。

パネルは、板のサイズが目安になります。標準はサブロクと呼ばれる910×1,820mmです。出力工房では、1,220×2,440mmのパネルやアルミ複合板の製作実績もあります。それより大きいサイズは特注です。1枚に収まらない大型を、2分割で作った事例もあります。展示会のパネルの選び方は、名古屋でパネル印刷を頼むときの記事もあわせて見てください。

長尺は、巻いて運べるか、階段やエレベーターを通るか、吊るす金具があるかも、印刷の前に確認します。20mのシートも、設置場所に入らなければ使えません。

規格外印刷の依頼先の選び方

金額の前に、次の5点を確認してください。

  1. 1mm単位でサイズを指定できるか。cm単位や、定型サイズしか選べないフォームでは、枠ぴったりの仕上がりは作れません。
  2. 対応できる最大サイズ。シートの高さと長さ、パネルの板サイズは、別々に確認します。
  3. 素材と加工を一緒に頼めるか。ラミネート、パネル、フレーム、穴あけ、カットが別会社だと、寸法の受け渡しでずれます。
  4. 仕上がりを事前に確認できるか。色と素材は、画面では判断しきれません。サンプルがある会社の方が、本番前に止められます。
  5. 送料。大判と長尺は、印刷代より送料が重くなることがあります。梱包代が別料金の会社もあります。

出力工房の規格外サイズ対応

出力工房は、名古屋市昭和区御器所の自社工場で、出力から後加工まで受けています。規格外で確認されやすい点は、次のとおりです。

  • サイズは1mm単位で指定できます
  • シート出力は、高さ100〜1,300mm、幅100〜20,000mmの長尺まで
  • パネルの標準はサブロク(910×1,820mm)。1,220×2,440mmの製作実績があり、それ以上は特注。2分割での製作にも対応した事例があります
  • シートは用途に合わせて選べます。合成紙、塩ビ、乳半、吸着ユポ、ガラス用透明シートなど
  • ラミネート、スチレンボード、アルミ複合板、マグネット、アルミフレーム、穴あけ、カットまで自社で加工します
  • 出力は8色インクジェットです

無料サンプルは2種類あります。素材が決まっていない方には、ハガキサイズの材質確認サンプルを複数枚送ります。色や小さい文字が気になる方には、入稿データをA4で実機出力した仕上がり確認サンプルを送ります。どちらも見積・問い合わせから依頼できます。

入稿データのチェックが終わってから、最短2営業日で発送します。送料は全国一律1,100円(税込、梱包代込み)です。沖縄・一部離島は除きます。名古屋の拠点では、店頭での引き取りもできます。

まとめ

規格外印刷は、設置場所の実寸、屋内か屋外か、シートかパネルかを先に決めると失敗しにくいです。データは仕上がりサイズで作り、天地左右3mmの塗り足しと、見る距離に合った解像度を確認してください。長いサイズは、縮小率と原寸寸法を書いて入稿します。

出力工房なら、1mm単位の指定から、長尺、大判パネルまで対応しています。金額はWebの見積もりで確認でき、素材や色は無料サンプルで本番前に見られます。

シートや加工が決まっている方は、自動見積フォームから概算を出してください。まだ仕様が固まっていない方は、同じフォームの無料相談から進めてください。

この記事を書いた人

東洋アドバンス 出力工房 編集部

東洋アドバンス
出力工房 編集部

東洋アドバンス株式会社が運営する「出力工房」編集部です。出力工房では、大判出力・パネル加工・ラミネート加工・看板制作など、店舗や企業の販促物制作をワンストップで対応しています。当ブログでは、印刷・加工に関する基礎知識をはじめ、素材の選び方、データ作成時のポイント、販促物の活用事例など、実務に役立つ情報を発信しています。初めて大型出力や販促物制作をご検討される方にも安心してご相談いただけるよう、専門用語をできるだけ分かりやすくお伝えしています。